Microsoft 365のModern authenticationに対応したEASプロファイルを作成する

野茨の仲間(2024年5月31日撮影)
親族宅に咲いていたバラの仲間の花です。6月はバラがきれいに咲く季節だそうです。
数あるジューンブライドの由来の一つとして、きれいに咲いたバラに囲まれた花嫁は幸せになると考えられていた、
というのをどこかで聞いたことがあるのですが、日本で品種改良されたバラの中にはジューンブライドという名前のバラがあるそうです。

 ●Modern authentication (OAuth 2.0 token-based authorization)ってなんだ?

Microsoft 365では、2021年、基本認証が提供されなくなりました。

基本認証はユーザー名と、クレデンシャル情報であるパスワードの単一要素のみを用いてユーザーを認証する認証方式のことをさしています。
基本認証は多要素認証に比べて脆弱なため、Microsoft 365では基本認証を廃止して、「Modern authentication (OAuth 2.0 token-based authorization)」が提供されています。
以下Microsoftの公式ページの説明によると、一度Entra IDによる認証が成功し、認可されたアプリに対して、Entra IDからアプリに認可したことを示す期限付きのトークンを発行することにより、ユーザー名/パスワードがネットワークでやり取りされる回数を減らすことができます。また、発行されるトークンはアプリごとに固有のものであるため、仮にトークンが盗まれたとしても悪意ある攻撃者が利用することはできません。

参考:What we are changing

This decision requires customers to move from apps that use basic authentication to apps that use Modern authentication. 
Modern authentication (OAuth 2.0 token-based authorization) has many benefits and improvements that help mitigate the issues in basic authentication. 
For example, OAuth access tokens have a limited usable lifetime, and are specific to the applications and resources for which they are issued, so they cannot be reused. 
Enabling and enforcing multifactor authentication (MFA) is also simple with Modern authentication.

●ユーザー側は何が変わるの?

2021年以降、すでにMicrosoft 365を使ったことがある多くの人が、Microsoft 365で認証を行うアプリを使用する際に、Microsoft 365の画面に遷移し、認可する権限の確認画面や電話番号やSMSなどの二段階認証を行う画面を見たことがあるかと思います。

基本認証の時はそんな画面は表示されず、我々がアプリ側にユーザー名とパスワードを入力し、それらが正確であればログインできましたが、Modern authentication (OAuth 2.0 token-based authorization)を使うと、Microsoft 365の画面に遷移します。

●Workspace ONEとなんの関係があるの?

Workspace ONEにはBoxerというEメールアプリがあります。もしあなたがBoxerアプリを使用する場合は、トグル一つでModern authentication (OAuth 2.0 token-based authorization)に対応することができます。
あなたのBoxerの配信において、割り当てを行う際に、AuthenticationメニューにてModern authenticationを許可すればOKです。

●Boxerを使わないときはどうするの?

もちろん、すべての組織がBoxerを使うわけではないことを私たちは知っています。
もしわれわれが使うアプリがMicrosoft Outlookアプリであれば、問題なくModern authenticationに対応していることは想像に難くありません。
ただ、ユーザーが使うiOSやAndroidのネイティブのEメールアプリで、Exchange ActiveSyncプロファイルでEメールの設定を行うときはどのようにすればよいでしょうか。その場合でも、Workspace ONE UEMの中に用意されたUIでは、OAuthを有効化するための設定項目があります。
Boxerの設定画面と異なる点として、OAuth Sign In URLとOAuth Token URLを以下のように指定する必要があります。

  • OAuth Sign In URL
    https://login.microsoftonline.com/{Entra IDテナントID}/oauth2/v2.0/authorize
  • OAuth Token URL
    https://login.microsoftonline.com/{Entra IDテナントID}/oauth2/v2.0/token

例えば、あなたの使用しているEntra IDのテナントIDがxxxxxxxx-xxxx-xxxx-xxxx-xxxxxxxxxxxxであった場合、以下のようなURLを埋める必要があります。

  • OAuth Sign In URL
    https://login.microsoftonline.com/xxxxxxxx-xxxx-xxxx-xxxx-xxxxxxxxxxxx/oauth2/v2.0/authorize
  • OAuth Token URL
    https://login.microsoftonline.com/xxxxxxxx-xxxx-xxxx-xxxx-xxxxxxxxxxxx/oauth2/v2.0/token
実際に私の環境で設定したiOSのEASプロファイルは、以下の画面のような設定としました。
※もしあなたの環境で同様の設定を行う場合、Contects,Email,Calendarのどれを使用するかは、必要に応じて設定を変えることができます。



Microsoftの公式サイトではOAuth Sign In URLを「Authorization endpoint」、OAuth Token URLを「Token endpoint」と称して記載しているようです。

参考:Endpoints

おわり

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