【休息日】Workspace ONE UEM の REST API をひとつひとつ試していく - 06

前回からずいぶん期間が開いてしまいましたが、今回もREST APIを試したいと思います。

今回試すREST APIは、Windowsのシングルユーザーモードとマルチユーザーモードの切り替えのためのAPIです。

このAPIは、以下で紹介されています。

APIコマンドを試す際のURLとして今回は、Omnissa Workspace ONE UEM API Explorerの「https://asxxxx.awmdm.com/API/help/Docs/Explore?urls.primaryName=MDM%20API%20V3#/DeviceActionsV3/DeviceActionsV3_ExecuteBulkDeviceActionAsync」を使用しました(赤文字の箇所はお使いの環境ごとに異なります)。

APIの実行前に、Workspace ONE UEMに加入したデバイスの情報を確認します。
画面右側の「デバイス情報」欄に、「Windows ユーザー モード」という項目があります。
ここで現在のユーザーモードを確認します。
また、この画面には表示されていませんが、「デバイス UUID」という項目と、「組織グループ UUID」という項目があります。
この二つの値も、押さえておきます。

本ページ上部で示したURLにアクセスします(※ホスト名は適宜読み替えます)。
今回実行するAPIは、以下のフォーマットに則ってPOSTでリクエストすることが求められます。
<組織グループ UUID>、<デバイス UUID>にはデバイスの詳細ページで抑えた値を入力します。
<操作内容>には、デバイスをマルチユーザーモードにするか、シングルユーザーモードにするかを選択可能です。

  • MIGRATE_TO_MULTIUSER:レガシーのシングルユーザーモードのWindows端末を、マルチユーザーモードにするための操作
  • CHANGE_TO_MULTIUSER:シングルユーザーモードで使用していたWindows端末を、マルチユーザーモードにするための操作
  • CHANGE_TO_SINGLEUSER:マルチユーザーモードで使用していたWindows端末を、シングルユーザーモードにするための操作

############################
{
  "filter": {
    "organization_group_uuid": "<組織グループ UUID>",
    "device_uuids": [
      "<デバイス UUID>"
    ]
  },
  "action_name": "<操作内容>"
}
############################

Workspace ONE UEM API Explorerの大まかな使い方は、
こちらの記事をもとに今回思い出しながら実施しました。
なお、今回はマルチユーザーモード→シングルユーザーモードの操作にしました。

実行後、再びデバイスの画面を確認すると、「Windows ユーザー モード」が変わっていることが確認できます。

「ユーザー情報」欄を確認すると、「シングル ユーザー モード - ユーザーの再割り当てが一時停止されました。」と表示されます。

●そもそもマルチユーザーモードとシングルユーザーモードだと何が違うのか?
Windows端末の場合、一つの端末に複数のユーザーが各自のアカウントでOSログインすることがあります。同じPCでも、今日は鈴木さん、明日は田中さん、あさっては佐藤さんといった具合に、使用者が変わります。
従来のWorkspace ONE UEMでは、そんな場合でも、Workspace ONE UEMからWindows端末に配布される設定は最初にWorkspace ONE UEMに加入したユーザーアカウントに基づいて配布されていました。例えば、鈴木さんのアカウントでWorkspace ONE UEMにWindows端末を加入させたら、そのあとOSにログインするユーザーが田中さん、佐藤さんと変わったとしても、ずっと鈴木さんのアカウント向けの設定が、Workpace ONE UEMからWindows端末に配布、適用されたままでした。このモードのことをシングルユーザーモードと呼んでいます。このような場合、利用ケースによっては田中さん、佐藤さんが使うときに不便になってしまうことがあります。
マルチユーザーモードは、そのような問題に対応するために、OSにログインしたアカウントに応じて、Workpace ONE UEMから配布される設定も、変更されるモードです。OSにログインしたアカウントが田中さんなら、田中さん向けの設定が、Workpace ONE UEMから配布、適用されます。翌日佐藤さんがOSにログインしたら、Workpace ONE UEMは佐藤さん向けの設定をそのWindows端末に配布します。

今回試したAPIは、必要に応じて、このマルチユーザーモードと、シングルユーザーモードを切り替えることが可能なAPIです。

Workspace ONE UEMでは、現在モダンスタックと呼ばれる新しいアーキテクチャが導入されつつあります。
モダンスタック化が完了した環境ではWindows端末においてWorkpace ONE UEMのマルチユーザーモードが利用可能になり、Windows端末が加入すると、デフォルトでマルチユーザーモードとなります。ただし利用ケースによっては、シングルユーザーモードの方が適している、という場合もあるため、今回試したAPIを使用して、マルチユーザーモードで発生するユーザー切替動作を一時停止して、シングルユーザーモードの端末として使うことも可能です(「シングル ユーザー モード - ユーザーの再割り当てが一時停止されました。」というメッセージ表示はこのためだと思われます)。

なお、今回試したのはAPIですが、検証の途中で、以下のような画面を見つけました。

...どうやら、一台ずつであれば、GUI画面を使って容易に切り替え操作が行えそうです。

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